2019年12月18日(水)から20日(土)に、東京国際展示場にて開催されていた「2019 国際ロボット展」に出展しました。

ブースでの展示物をご紹介します。

トポロジー最適化CFRPのドローンカバー

トポロジー最適化CFRPのドローンカバー

クエストコーポレーション、長野県工業技術総合センターとの共同研究の中で、ドローンのカバーをトポロジー最適化し、それをCFRPで成型したものです。
必要なところに十分な剛性を持ったカバーです。
これは同じ重量のCFRPでは実現できない機械的性質を持っています。

この成型は、TFP(テーラードファイバープレースメント)という技術を応用しています。
TFPを具体例で説明すると、まず、ガラスの布に炭素繊維を直接縫い付けた材料をつくり、それに樹脂を含浸させることで成型品を得る方法です。

縫い付けるのはガラスの布である必要はありませんし、白い部分は削り取ってしまっても強度的に問題ない部分なのですが、今回はドローンのカバーということで外皮が欲しかったので、ガラスの布に縫い付けて成形し、GFRPの外皮をとして残しています。

トポロジー最適化CFRPの多関節アーム

先端に重いものが付くアームにはそれを支えるための剛性が求められますが、それを満たすために構造が重くなり過ぎてしまうと、関節部にも、根元にも負荷が増えます。
類似形状は従来のCFRPでも実現可能ですが、大抵の場合オーバースペックかつ高コストになり、加工による材料ロスも発生します。
この技術では、必要なところに必要な強度のCFRPを配置していますので、十分な強さをもった軽量な構造が実現できます。

トポロジー最適化CFRPは、量産品に適用可能な技術です。
最近Composites Worldなどで紹介されている3Dプリンティングのシステムを活用することにより、適切な箇所に直接繊維を配向できるため、近い将来量産が可能になります。

参考記事:【news解説】CFRPの量産適用可能な3Dプリンティング技術 – CFRP.media

これはマルチマテリアルな最適設計に活用できる、部品設計の技術です。
材料、重量、コストの全てにおいて無駄の少ない部品を実現し得るもので、この展示品のように構造全体に適用する設計も、特定の箇所に適用するための設計も可能です。

トポロジー最適化CFRPの角パイプ

トポロジー最適化CFRPの角パイプ

各荷重をかけた時のシミュレーション結果をもとに炭素繊維の繊維配向を決定することにより、構造的な強さを発現するCFRP角パイプを実現しています。

展示品は積層設計をして成型したCFRP角パイプと同等の強さを保ちながら、約30%軽量化しています。

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